2011年 03月 26日
DIALOG IN THE DARK |
去年の暮れJ-Waveの大好きなショーンKがMCをやっているMake it 21という番組を聴いていたら
「DIALOG IN THE DARK」というイベントを主催する金井さんという方がゲストで出演していた。
目以外の何かで、ものをみようとしたことがありますか?
暗闇の中の対話。
鳥のさえずり、遠くのせせらぎ、足元の葉と葉のこすれる枯れた音と、その葉を踏みつぶす感触。
土の匂い、森の体温、水の質感。
仲間の声、乾杯のグラスの音。白杖の先の触感。
ダイアログ・イン・ザ・ダークはまっくらやみのソーシャルエンターテインメントです。
参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、何人かのグループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験していきます。
その過程で視覚以外の感覚の可能性と心地よさを思い出し、そしてコミュニケーションの大切さ、あたたかさを再確認することになります。
世界で600万人以上が体験したこのイベントは、1989年にドイツで生まれました。1999年以降は日本でも毎年開催され、約6万人の人が体験しています。
そんな案内だった。人は1人では生きられないことを痛感します。という言葉にどうしてもYりんを誘いたいと思った。「私はずっと結婚しないかもしれない」なんて言っている娘分だ。
大晦日に誘って、それから3ヶ月、今日はいよいよその日だ。
16時スタート。荷物、時計、携帯すべてをロッカーにしまい、計7名の参加者とアテンドのS藤さんと計8名。
白い杖を渡される。少し暗い部屋で目を慣らし自己紹介。私は「ねーさん」と名乗った。
杖はペンを持つように持って、杖の先を足元より少し先に地面につけながら、しゃがむ時などは声をだしてから行動するようにと注意点を聞きいよいよ真っ暗闇の世界に。
目が暗闇に慣れうっすら見えるということはまったくない。
杖をたよりに前に進む。段差がある。橋まである。しかも揺れる。足をふみはずすと川もある、木もある。匂いを頼りに何かを感じた人は後ろの人に声を掛ける。「ここに木がありまーす。足元に階段があります。」という具合に。
みんなで手をつなぎ、円陣を組みしゃがむ。中に鈴が入っているボールを使ってボールころがしをする。声だけが頼りだ。「ねーさんにください」と言うとボールを持っている人が私の声に向かってボールをころがす。1度目ははずれてしまったり、時間がかかったりした。でも2度目はどうだろう。1度目よりうんとスムーズだ。
それから次は小さな植木鉢をもらい、そこに土をいれ、種を蒔く。種を皆に渡す役をおおせつかった。みんな私の前に来て手を出す。私は小さな種をもち仲間の手のひらに渡す。
手探りでその土を入れた植木鉢に種を蒔く。
水遣りの役目の人も。声のするほうにいき、ジョーロの口を手で探し、植木鉢の上に導き水をいれてもらう。土の匂いがやさしい。 芽が出たら、花が咲いたらアテンドしてくれたS藤さんに見せに行こう!!
それから今度はなんと靴を脱ぎ畳の部屋に。靴だって「一番左はT田の靴です。」と声に出す。次に私が「2番目はねーさんです。」と声にだす。
畳の部屋にはこたつがあった。皆でこたつを囲んで飲み物を注文する。ジュース、ほうじ茶、ビール、ワイン。わたしとYりんはジュース。缶ででてくると思いきや、ちゃんとガラスのグラスにアテンドのS籐さんがついでくれる。ビールもワインもだ。まっくらやみでの乾杯。おしゃべり。
皆初対面の人たちで顔もあんまり見ぬ間に暗闇にはいってしまったからどこにどんな人が座っているのかわからない。
いつもは視覚で人を判断している。でも真っ暗闇はどうだろう?その人の声、話癖、温度、匂い。
隣の人に触れたりするとなんだかそれだけであったかい気持ちになる。ひとつの運命共同体だ。今震災で避難をしている人たちのことを思った。明かりこそあるけれど、家族を失い、家を失い、職を失い、それこそ真っ暗闇だ。でもだからこそ助け合っている。声を掛け合っている・・・。
なかなかパートナーが見つからずに苦戦している私だが、もしかしたらこんな真っ暗闇の中の方が真のパートナーが見つかるかもしれない、なんてそんなことも感じた。
1時間15分ほど真っ暗闇の中にいた。それから少し明るい部屋に移動。今日が4回目という人もいた。
皆で感想を書きイベントは終了した。痛感したことは聴覚、視覚、嗅覚、触覚、などの感覚を持ちならがいかに視覚に頼って生きていることか、物事を判断しているかということだ。
そして、声を掛け合うことが、助け合うことがいかに大切かということだった。とても貴重なおもしろい体験だった。
会場は青山だった。そこから神宮外苑に向う途中、テキスタイルとシルクスクリーンの姉妹のとっても素敵な個展をしていたギャラリーに立ち寄り、外苑を歩き、最初に通った陶芸教室の前を歩き、慶応病院の裏を抜け、かつて18年もの長い時間をすごした町、大京町に。そして私が暮らしたマンションの本当にすぐ近くのギャラリーに同僚のポストカード作家長谷祐史さんの描くポストカードが展示されているというので見に行った。どれも彼女のお人柄が染み出たあったかく、可愛らしい。
私はこんなポストカードをゲット!
充実の土曜日の午後だった。昔よく行った中華料理屋さんに立ち寄って懐かしい味を楽しみました。
久々の長編にここにて力尽き就寝。
=日曜日=
大好きな番組、「題名のない音楽会」を見ていたら、辻井伸行さんが作曲した「コルトナの朝」という曲を披露していた。
彼がイタリアのコルトナを尋ねた時の鳥のさえずり、風の音を曲にしたそうだ。
ご存知の通り、彼は生まれながらに視覚障害を持つ。
私がわずか1時間体験しただけの暗闇に生まれながらいるのだ。
でもどうだろう、その曲から明らかに鳥のさえずりが聞こえ、川のせせらぎ、心地よい風を感じた。なんだか涙がでてきた。五体満足だって感じられないものを彼は一番大きな視覚という感覚を欠きながら表現してみせる。人間てすごいんだって思った!
PCの前の皆さん、座ってばかりいないで、外にでよう!
五感を駆使してみよう!目以外で何かが見えるかもしれない、何かを感じるかもしれない、何かが変わるかもしれない!
「DIALOG IN THE DARK」というイベントを主催する金井さんという方がゲストで出演していた。
目以外の何かで、ものをみようとしたことがありますか?
暗闇の中の対話。
鳥のさえずり、遠くのせせらぎ、足元の葉と葉のこすれる枯れた音と、その葉を踏みつぶす感触。
土の匂い、森の体温、水の質感。
仲間の声、乾杯のグラスの音。白杖の先の触感。
ダイアログ・イン・ザ・ダークはまっくらやみのソーシャルエンターテインメントです。
参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、何人かのグループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験していきます。
その過程で視覚以外の感覚の可能性と心地よさを思い出し、そしてコミュニケーションの大切さ、あたたかさを再確認することになります。
世界で600万人以上が体験したこのイベントは、1989年にドイツで生まれました。1999年以降は日本でも毎年開催され、約6万人の人が体験しています。
そんな案内だった。人は1人では生きられないことを痛感します。という言葉にどうしてもYりんを誘いたいと思った。「私はずっと結婚しないかもしれない」なんて言っている娘分だ。
大晦日に誘って、それから3ヶ月、今日はいよいよその日だ。
16時スタート。荷物、時計、携帯すべてをロッカーにしまい、計7名の参加者とアテンドのS藤さんと計8名。
白い杖を渡される。少し暗い部屋で目を慣らし自己紹介。私は「ねーさん」と名乗った。
杖はペンを持つように持って、杖の先を足元より少し先に地面につけながら、しゃがむ時などは声をだしてから行動するようにと注意点を聞きいよいよ真っ暗闇の世界に。
目が暗闇に慣れうっすら見えるということはまったくない。
杖をたよりに前に進む。段差がある。橋まである。しかも揺れる。足をふみはずすと川もある、木もある。匂いを頼りに何かを感じた人は後ろの人に声を掛ける。「ここに木がありまーす。足元に階段があります。」という具合に。
みんなで手をつなぎ、円陣を組みしゃがむ。中に鈴が入っているボールを使ってボールころがしをする。声だけが頼りだ。「ねーさんにください」と言うとボールを持っている人が私の声に向かってボールをころがす。1度目ははずれてしまったり、時間がかかったりした。でも2度目はどうだろう。1度目よりうんとスムーズだ。
それから次は小さな植木鉢をもらい、そこに土をいれ、種を蒔く。種を皆に渡す役をおおせつかった。みんな私の前に来て手を出す。私は小さな種をもち仲間の手のひらに渡す。
手探りでその土を入れた植木鉢に種を蒔く。
水遣りの役目の人も。声のするほうにいき、ジョーロの口を手で探し、植木鉢の上に導き水をいれてもらう。土の匂いがやさしい。
それから今度はなんと靴を脱ぎ畳の部屋に。靴だって「一番左はT田の靴です。」と声に出す。次に私が「2番目はねーさんです。」と声にだす。
畳の部屋にはこたつがあった。皆でこたつを囲んで飲み物を注文する。ジュース、ほうじ茶、ビール、ワイン。わたしとYりんはジュース。缶ででてくると思いきや、ちゃんとガラスのグラスにアテンドのS籐さんがついでくれる。ビールもワインもだ。まっくらやみでの乾杯。おしゃべり。
皆初対面の人たちで顔もあんまり見ぬ間に暗闇にはいってしまったからどこにどんな人が座っているのかわからない。
いつもは視覚で人を判断している。でも真っ暗闇はどうだろう?その人の声、話癖、温度、匂い。
隣の人に触れたりするとなんだかそれだけであったかい気持ちになる。ひとつの運命共同体だ。今震災で避難をしている人たちのことを思った。明かりこそあるけれど、家族を失い、家を失い、職を失い、それこそ真っ暗闇だ。でもだからこそ助け合っている。声を掛け合っている・・・。
なかなかパートナーが見つからずに苦戦している私だが、もしかしたらこんな真っ暗闇の中の方が真のパートナーが見つかるかもしれない、なんてそんなことも感じた。
1時間15分ほど真っ暗闇の中にいた。それから少し明るい部屋に移動。今日が4回目という人もいた。
皆で感想を書きイベントは終了した。痛感したことは聴覚、視覚、嗅覚、触覚、などの感覚を持ちならがいかに視覚に頼って生きていることか、物事を判断しているかということだ。
そして、声を掛け合うことが、助け合うことがいかに大切かということだった。とても貴重なおもしろい体験だった。
会場は青山だった。そこから神宮外苑に向う途中、テキスタイルとシルクスクリーンの姉妹のとっても素敵な個展をしていたギャラリーに立ち寄り、外苑を歩き、最初に通った陶芸教室の前を歩き、慶応病院の裏を抜け、かつて18年もの長い時間をすごした町、大京町に。そして私が暮らしたマンションの本当にすぐ近くのギャラリーに同僚のポストカード作家長谷祐史さんの描くポストカードが展示されているというので見に行った。どれも彼女のお人柄が染み出たあったかく、可愛らしい。
私はこんなポストカードをゲット!
充実の土曜日の午後だった。昔よく行った中華料理屋さんに立ち寄って懐かしい味を楽しみました。
久々の長編にここにて力尽き就寝。
=日曜日=
大好きな番組、「題名のない音楽会」を見ていたら、辻井伸行さんが作曲した「コルトナの朝」という曲を披露していた。
彼がイタリアのコルトナを尋ねた時の鳥のさえずり、風の音を曲にしたそうだ。
ご存知の通り、彼は生まれながらに視覚障害を持つ。
私がわずか1時間体験しただけの暗闇に生まれながらいるのだ。
でもどうだろう、その曲から明らかに鳥のさえずりが聞こえ、川のせせらぎ、心地よい風を感じた。なんだか涙がでてきた。五体満足だって感じられないものを彼は一番大きな視覚という感覚を欠きながら表現してみせる。人間てすごいんだって思った!
PCの前の皆さん、座ってばかりいないで、外にでよう!
五感を駆使してみよう!目以外で何かが見えるかもしれない、何かを感じるかもしれない、何かが変わるかもしれない!
by akirameneesan
| 2011-03-26 23:40
| 日常